窓ガラスの特徴

ペア(複層)ガラスだと結露ができないって本当?結露ができないコツって何かある?

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「ペアガラスは結露ができない」

インターネット上には、こう断言する情報があふれています。
確かに窓ガラスメーカー各社のPRを見ても、結露のできにくさがアピールされています。

しかし実際には、

「ペアガラスにしたけど結露が改善されない」

「以前よりひどくなった」

といった声も多く聞かれています。

そこで今回は、ペアガラスと結露の関係について、さまざまな角度から解説していきます。

窓ガラスにはなぜ結露ができるのか?

窓ガラスに結露ができる原理は、ガラスの内側と外側の温度差によって空気中の水分が気体から液体に変わることにあります。

真夏の暑い日にガラスのコップに冷たい水を注ぐと、あっという間にコップ周辺に水滴ができてしまうでしょう。まさにこれが結露の原理です。
コップの外側は暑い空気にさらされていますが、内側は冷たい水で冷やされています。空気中の水分は、温度が高ければ気体でい続けられますが、温度が低くなれば気体でい続けることができず液体となって姿を現します。そのため、冷たい水に接しているガラス面が急激に冷やされると、暑い空気に接しているガラス面では空気中の水分が気体でいられなくなり、液体になってしまう…こうして結露が発生しているのです。

コップだけでなく、寒い日の車の窓ガラスの内側が曇ってしまう現象や、満員電車の窓ガラスが白く曇ってしまう現象なども、このためです。

ペアガラスには結露ができにくい?

空気中の水分が冷やされることで結露ができてしまう原理はおわかりいただけましたでしょうか。
「それなら、冷やされないようすれば結露はできないはず」
そう考えるのが一般的です。もちろん、窓ガラスメーカー各社もそのような発想に基づき研究・開発を続け、その結果、結露に強い「ペアガラス」が誕生したのです。
ですので、『ペアガラスは結露ができにくい』という話は、正しいと言えます。

しかし、間違ってはいけないのは、結露が「できにくい」のであって、「できない」ではない点です。

空気層の劣化による結露発生

2枚のガラスに挟まれた空気層が、何らかの理由によって劣化することがあります。ここで言う劣化とは、空気の漏れを指しています。一般的な乾燥空気の漏れ、真空層であれば周辺空気の浸入などです。

強い衝撃を受けたり、地震などでゆがみが生じてわずかな破損が起こり、そこから空気の漏れや浸入が発生すると考えられます。

サッシからの結露発生

ペアガラスに交換する際、窓枠をアルミのままにしておくと、そこから結露が発生し、ペアガラスの意味をなさない状況となるケースがあります。ガラス周辺の窓枠だけでなく、建物側のサッシもアルミから樹脂製に交換しなければ、結露を防ぐことはできません。

結露ができにくい窓ガラスってあるの?

結露ができにくい窓ガラスには、ペアガラスやトリプルガラスのように複数枚のガラスを組み合わせて作られたものがあります。しかし、これらも「完全」ではなく、絶対に結露しないという趣旨のものではありません。あくまでも、結露「しにくい」というレベルのものでしかないのです。

また、サッシを樹脂製にしてあれば結露のしにくさは数段上がりますが、それでも絶対ではないことを、利用する私たちが正しく理解しておく必要があります。

ガラス以外で結露対策ってある?

住宅の環境や生活状況などによっても大きく異なりますが、窓ガラス単体で結露対策を行うのには、限界があります。乳児や高齢者がいる家庭なのに、結露対策として「部屋の温度を上げすぎないようにエアコンや暖房器具の使用は控える」「結露したら嫌だから加湿器は使わない」などすることは、あまりにも非現実的です。
そこで、窓ガラス以外の結露対策を考えてみました。

二重窓

窓ガラス単体では結露に対して完全な効果を求めることができないので、二重窓にすることも検討しましょう。
二重窓はその名のとおり、窓を二重に設置することです。室外と室内の温度差が大きくなりすぎる豪雪地域などでは多く見られます。

二重窓にすることで、室外と室内の温度差による結露は大幅に小さくできるため、結露の発生は大きく抑えられます。

樹脂サッシ

先ほども触れましたが、アルミサッシを樹脂サッシに変更します。
これだけでも熱の伝わり方が大きく変わり、窓ガラスが冷やされるのを防いでくれますので、結露防止に役立ちます。

プチプチ(エアパッキン)

商品の梱包などに使われるエアパッキンを窓の内側に貼ると結露が防げるとして注目を集めています。
実際、都会においても病院の窓にこうした対策がとられている様子を目の当たりにすることはあり、また、東北など豪雪地域に住む人の家でもこうした対策がとられていることが多々あります。

中性洗剤

キッチンで使われる中性洗剤を水で薄め、窓を拭きます。
比率は1:9(洗剤:水)が効果的です。
食器洗いはもちろん、洗車の際にもおすすめとされる中性洗剤は、汚れを優しく、でもしっかりと落とし、そして汚れや水分の付着を効率よく防いでくれるスグレモノです。

窓ガラスの結露は、汚れをしっかり落とすことで大幅に防ぐことができるという事実…あまり知られていません。
窓ガラスに付着した皮脂などの汚れが水分を呼び込んでしまっているので、これらをしっかり除去することで、水分の付着、つまり結露は減らすことができるのです。

ちなみに、部屋の汚れも同じ原理です。埃がたまっている場所には水分が集まり、さらにカビへと進行していくのです。

除湿

結露のもうひとつの原因に、湿度の高さがあります。
満員電車や締め切った室内では、温度の上昇だけでなく湿度の上昇も起こっています。そのため窓ガラスが曇って結露してしまうのです。
これを解決するためには、除湿機を使うのがベストです。冬場や梅雨時などは洗濯物を室内に干す機会が多くなりますので特におすすめです。

さいごに

ペアガラスにすれば、「それまでと比べて結露しにくくなる」のは確かです。ですが「絶対」ではないということを忘れてはなりません。また、同じペアガラスでも、しっかりとした知識と技術を持った施工業者に依頼した場合とそうでない場合とでは、結果の出かたに差があるのも現実です。

湿度の高い国に暮らし、住宅の気密性も年々高まっている中での結露対策は、私たち日本人にとって永遠の課題と言えるのではないでしょうか。
「こうすれば万全・完璧」といった方法の中に現実的なものはまだありませんが、ペアガラス+除湿機、ペアガラス+樹脂サッシ…のように、1つの方法だけでなく複数の方法を取り入れることで、限りなく完璧に近い結露対策は行えると言えます。

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